大阪の風はソース臭い?

 4月10日は、早朝から大阪に行って来た。
6時15分が新幹線のぞみの始発なので、それに間に合うよう自宅を5時半に
でなければならない。
つまりとりあえず5時までは寝ていてもよかったのだが、何を思ったのか俺は
前回の日記を書いてからずっと起きていた。
仕方がないのでそのままのテンションで自宅を出発。
その時は新幹線の中で寝ればいい、くらいに考えていた。が、それは甘かった。
土曜の始発は恐ろしいほどに混んでいたのだ。すでに東京から乗ってきた乗客のお陰で自由席は廊下まで溢れかえっていた。
当然新横浜から乗る俺に座る場所などなく、連絡通路の一角に立ち乗りする。
しかもただの直立ならともかく、ちょっとでも動けば隣の客にすぐ体が当たるほどの混み具合。微動だにできぬまま数十分過ごす。
だが持ってきたポータブルCDプレーヤーでQueenと奥井雅美を聞いているだけで自然とテンションがあがり、あまり苦痛を感じなかった。
途中駅の名古屋につけば多少は客が減るのかと思いきや結果はその逆。
さらに奥へ進むことを余儀なくされ、結局そこから新大阪に着くまで俺はトイレのまん前に立っていた。
で、新大阪に着いたので朝飯でも知り合いと食べようかと思ったが、企画会議の開始時間が迫っていたためやむなくそのまま会議場所へ向かう。
その途中で、昨日の昼食以降なにも食べていなかったことに気づく。
だが会議が控えているせいか全く腹が減らない。というよりは胃に何も入れたくない感じに。
結局昼飯の時間まで烏龍茶だけでやり過ごすことにした。
で、昼は仲間とローソンへ買出しに。
空腹の俺が初めに手にしたのは食い物ではなく、「イノセンス」のフィルムコミックだった。
とにかくなにも食べたくない。だが食べないと体がもたない。
しかしローソンでバイトをしている俺にとってはすでに棚の売り物が全て廃棄弁当にしか見えない。
結局唯一食べたことのないメニュー、「山菜なめこそば」を購入。
食べてみるとなかなかにうまかった。
店員の俺が言うのもなんだが、ローソンは麺類はどこのコンビニよりもうまいと思った。
で、午後から続けて会議。
いつもなら夕方5時までなのだが今日は9時まで会議室を取ってあるらしい。
今日中に横浜まで帰りたかったので7時頃に早退するつもりでいた。
が、実際には会議で相談することが思いのほか多く9時までいることに。
朝までどこかで時間を潰そうと思っていたが、先輩のお誘いがかかりなんばの
焼肉屋に入った。
面白かったのは先輩の注文の仕方だ。4人で店に入ったのだが、先輩はハラミ
6人前を一気に注文し、あとは適当に頼んでくれという。
お言葉どおり適当に頼み、映画の話などを楽しみながら肉を食べる。
実は先輩の一人に大阪で劇団の主宰をしている人がいて、最近ジャズバーを回ってミステリーナイトを上演しているという話を聞かせてもらった。
ミステリーナイトというのは初めに事件の問題編を上演し、途中で観客にいろいろと推理してもらってから解答編を上演するという観客参加型の推理劇で、
ジャズバーでカクテルなどを楽しみながら推理劇に挑むという大人っぽいアダルトなスタイルがいいのか、先輩はよくオファーをうけるらしい。
ところが、最近きたオファーがミステリーナイトをラヴホテルでやってくれというものらしく、かなり困っているらしいと聞いた。
しかしラヴホテルにわざわざそれを見に来る客がいるのだろうか?
しかもラヴホテルでおこる殺人事件で情の縺れ以外の動機を考えるのは不自然だし、第一複雑なトリックなど必要あるのだろうかと思ってしまった。
だが先輩は金になるので断りたくはないらしい。なかなか大変どうだった。
お会計は13500円ほど。なんと先輩が奢ってくれた。本当に感謝。
時計を見ればもう11時を回っていた。新幹線は当然もう出ていない。
と、そこで閃いて大急ぎで梅田の高速バス乗り場へ向かった。
急いでいたのだが、途中路上で売っていたネコのポストカードがどうしてもきになってしまい、結局購入。
バス乗り場に着くとあと10分で出発する新宿行きのバスが残っていた。
ギリギリで乗り込むことに成功。
たった一日の間にこれだけのハードスケジュールをこなしたことで、普段ダラダラした生活の自分がとても忙しい人間のように感じられて少し満足になる。
本来は高速バスではほとんど寝れない俺が疲労のせいか新宿到着までほとんど
目覚めず熟睡。気持ちよかった。
で、早朝の新宿から電車を乗り継いで無事地元に到着。
疲れてはいたが、ちゃっかり最近お気に入りのフレッシュネスバーガーに入ってテーブル席で絞りたてのレモネードを飲み、煙草に火をつける。
かなり自己満足。
でもうちに帰ってからはほとんど何もせずに夜を迎えたのだった。