マジでびびった

 俺のバイト先の後輩N君(仮名、20歳)は本当に好青年という言葉がぴったりの真面目君である。
 最近でこそよく話すようになったがそれまでは極めて口数の少ない、小まめに仕事をこなす今時珍しい若者だった。
 だが決して暗いわけではなく、一度親しくなればとても根は明るい好感の持てるかわいい男である。
 そんな彼が今日、何気にレジで接客していた時にこんなことを聞いてきた。
「wakacoさん、あの、『メコスジ』って何ですか?」
 ……………………はい?
当然、次に俺の口から出たのは説教だった。
「こ、こらああ! どこでそんな言葉覚えてきたんだ!!」
 で、聞くところによるとどうも先程客が買っていった雑誌の表紙に「小倉優子のメコスジ」がどうとか書いてあってそれが気になったらしかった。
 一応説明しておくと、メコスジとは女性器のワレメの筋のことであってメコとは関西弁で女性器のことを「オメコ」というところから来ているようだ。
 聞かれた以上は教えねばなるまいと俺は、そんな言葉は絶対人前で口にしてはいけないのだよと子供に諭すように念を押してから言葉の意味を教えた。
 まったく、悪意がないとはいえ恐ろしい出来事だった。
 こんなのは妹が中学の時に俺に聞いた「お兄ちゃん、オナニーって何?」以来の衝撃だ。ちなみにこの時、俺は「そ、それはお母さんに聞きなさい」と、まるで父親が使うような逃げの手段で返したのだが果たしてあの時母は妹に教えたのだろうか? 今度電話で聞いてみよう(オイ)

新選組! 第25回「新選組誕生」

 悲しいことだが、ついにこの日が来てしまった。違和感だらけの今作にあって唯一先入観なしに見れていた佐藤浩市演じる芹沢鴨の暗殺される回である。
 話は近藤勇香取慎吾)が自分の留守中に、土方(山本耕史)と山南(堺雅人)が結託して新見(相島一之)を切腹に追いやったことを知るところから始まる。
 事実を知って「俺は多摩に帰る」と言い出した近藤がもうただの我儘なおぼっちゃんにしか見えなくていきなりイラッとくる。もう俺は最近、香取が主役だと思わずにこのドラマを見ることにした。そうすると初めは笑顔が気に食わなかった堺雅人がましに見えてくるから不思議なものだ。
 話は戻り、土方達は会津藩松平容保筒井道隆)から先の政変での褒美を受けた夜の宴の後、芹沢を暗殺することを決定する。何事もないかのように宴に参加している近藤だが、表情が固すぎて明らかに不自然。実際なら確実に何かあることはバレている。だがそれも見抜いていた芹沢は近藤に「鬼になれよ、鬼になって俺を食っちまえよ」と囁く。ああ、またも浩市にやられた。
ところでこの時近藤は松平からもらった隊の新たな名前が書かれた紙を芹沢に見せていたのだが、裏から透けて見えたそこには「新見組」と書いてあったように俺には見えた。
 で、その後土方達は八木邸に戻り、頃合を見て芹沢の部屋に四人で忍び込む。襖を開けるなり布団を四人で一気に貫く。が、そこに芹沢はいない。
轟く雷鳴、浮かび上がる芹沢の顔。酔って寝ていたのでは!?
「随分と待たせるじゃねえか」
 いよいよ斬りあいという最大の見せ場に差し掛かったとき!!
俺は気づいた、妙に表が騒がしいことに。
ベランダから外を見る。と、家の前に何台もの消防車と救急車が。
隣の建物を見れば煙が立ち昇っている。火事だ!!
……慌てて飛び出した俺だったが火事は小火ですみ大事には至らず。
 急いで戻ると、テレビの画面では血だらけで横たわる芹沢と悪女お梅(鈴木京香)の姿が。 
ああ、大事なところ見逃した!!!!!!!!
 仕方がないのでこのへんの詳細は土曜お昼の再放送を見てから改めて。

新選組! 第24回「避けて通れぬ道」

 ついに土方歳三山本耕史)が牙をむき出す回。
いい加減芹沢一派の狂行に業を煮やした会津藩から最後通告が届き、土方は有名な局中法度を作り上げる。

局中法度
一、士道に背くまじき事
一、局を脱するを許さず
一、私の闘争を許さず
一、勝手に金策いたすべからず
一、勝手に訴訟取り扱うべからず

右条々相背き候者、切腹申しつくべく候なり

というやつ。ちなみに今何も見ずにソラで書いたので若干違う箇所はあるはず。だが真に新選組を語るならこれくらいサッと出ないと嘘だと俺は思う。

で、本筋に戻るが、これを一目見た芹沢一派の新見錦相島一之)は一つめの「士道」という言葉の意味の広さに疑問を抱き、それを聞いた土方は局中法度とはある人物を体よく葬る為のものなのだと打ち明ける。
その夜、土方と山南(堺雅人)は新見を酒席に誘い、新選組が世話になっている八木家の元使用人を斬った犯人が芹沢であると告白させる。
 直後、土方が襖を開け放つとそこには酒を呑む芹沢鴨佐藤浩市)の姿が!
驚く新見に土方は言う。
「言ったろ。あの法度はある人物を体よく葬る為に作ったって。新見さん、あんたのことだよ」
 正直、ここの演出は見事だった。何気ないシーンだが息を呑む迫力があり、ここ最近での名シーンだと思う。そして新見は切腹。この死ぬ直前の相島の演技も見苦しくなくてよかった。
 一方その頃、沖田総司藤原竜也)は芹沢の愛人お梅(鈴木京香)に誘惑され、ついに初体験。なるほど、このためのお梅だったかと驚嘆する。
ところがお梅に「怒らないはず」と言われていた芹沢は帰宅して沖田を見るなり本気で殴りつける。吹っ飛ぶ竜也。
 ここで驚くお梅になぜ怒るのかと聞かれ「新見が死んだ、次は俺だ」と半笑いで呟く佐藤浩市の演技にまた惚れ惚れ。つくづく俺は芹沢に惹かれている。
他にも今回はオウムに「お前、死ぬで」と言われて怒り狂い、檻を壊そうとする芹沢など見所の多い回だった。

ちなみに中村獅童演じる捨助は、はしのえみが働く茶屋の奉公人になっていた。かなりヘタレな役どころだが、果たして彼は新選組に入れるのか?

新選組! 第23回「政変、八月十八日」

 会津藩薩摩藩が長州を京から追い出そうとする話。
相変わらずぼっちゃん臭い松平容保筒井道隆)は新選組にも禁裏を守らせるよう家臣に命じるも、芹沢一派の悪評が祟って露骨に嫌がられ、「御花畑」という微妙な場所の警護を命じられる。でも近藤(香取慎吾)は嬉しそう。この馬鹿素直さが最大のウリなのだろうが、普段のチャラチャラした香取のイメージが付きまとうので全然感情がついていけず。
 今回も見所はキレて暴れる芹沢鴨佐藤浩市)。確実に殺される回は近づいているものの、鴨と悪女お梅(鈴木京香)がいなくなった後の新選組がシャリッとしてくれるかが非常に心配になる回だった。

新撰組! 第二十二回「屋根の上の鴨」

 話の主軸は近藤が前回和解した大阪の相撲部屋を壬生村に呼んで興行するという話。
相撲で儲けるなどとは商人の考えることで武士のすることではない、などといいつつも仲間はずれなのが悔しいご様子の芹沢、沖田をつれて今日もお酒のんで暴れまくり。
で、相撲興行の当日になぜか会津藩主の松平容保筒井道隆)がお忍びで観戦にやってくる。毎度ながらみごとなバカ殿に見えてしまうのは町人に扮した姿だからではなく、筒井道隆のキャラのせいだろう。
今回特筆すべきは芹沢の愛人を演じている鈴木京香の悪女っぷりだろう。
ガキの使いやないんやから」などと毒気たっぷりに芹沢をたきつけるその演技にすっかり引き込まれた俺。そして煽られるままに商家に押しこみ暴れまくる芹沢、佐藤浩市のやり場のない焦りたっぷりの演技にちょっと感動。
ところで、久々の中村獅童は今回何しに出てきたのか?

クーラーがなければ死ぬ

 とりあえずドラマの感想。

大河ドラマ新撰組! 第二十一回「どっこい事件」

 橋を通せんぼした力士の集団を芹沢鴨佐藤浩市)が斬りつけて大騒ぎになる話。相変わらず芹沢は傍若無人、だが演じる佐藤浩市に妙な風格が出てきてかなりかっこいい悪役に。
力士の集団を仕切っていた舞の海の大根具合はともかくとして、今回沖田総司藤原竜也)が初めて人を斬った。そのことをヘラヘラと楽しそうに話す沖田と、それを必死の形相で叱る近藤勇香取慎吾)の様子からそろそろ役が固まってきたことを感じる。芹沢、近藤のかみ合わないバランスがようやく心地よくなってきた。が、そろそろ芹沢は暗殺されるだろうから残念な話。
ちなみにとにかく真面目な役柄の永倉新八を演じるぐっさんにはまだ馴染めません。